アドルフ・ブグローの作品集 ~アカデミックに美少女を描く!~ 

アカデミズムの重鎮にして、最高レベルの画力! だけど、なんというか、少し変態っぽいというか……

ウィリアム・アドルフ・ブグローの作品を大きめサイズで並べてみる。年代順です。

 

地獄のダンテとウェルギリウス (1850)

Portrait of Monsieur M. (1850)

Charity (1859)

Soup (1865)

 

Young Shepherdess (1868)

Maternal Admiration (1869)

Breton Brother and Sister (1871)

小川のほとり (1875)

Cupidon (1875)

Tricoteuse (1879)

ヴィーナスの誕生 (1879)

キリストの苔打ち (1880)

歌を歌う天使達 (1881)

The Little Knitter (1882)

The Nut Gatherers (1882)

渇き (1886)

Young Girl Crocheting (1889)

The Bohemian (1890)

A Little Coaxing (1890)

Not Too Much To Carry (1895)

Sewing (1898)

Before The Bath (1900)

Dream of Spring (1901)

ウィリアム・アドルフ・ブグロー

ウィリアム・アドルフ・ブグロー(William Adolphe Bouguereau, 1825年11月30日 – 1905年8月19日)は、19世紀フランスのアカデミズム絵画を代表する画家。天使や少女を描いた絵で有名でしょう。

自画像 (1886)

アカデミズムとは、アカデミー(=学会)主義ということ。当時のフランスには強い影響力を持つ芸術学会があり、西洋絵画の伝統を重視する写実的な作品が良いとされました。

ブグローは若いうちから学会に評価され、1850年にはローマ賞(新進美術家に与えられる最高の賞)を受け、1876年には美術アカデミー会員となり、1888年にはエコール・デ・ボザールの教授に就任。

絵の上手さが認められ、アカデミーの偉いさんに出世していったわけですね。確かに、素晴らしい画力! 筋肉の盛り上がり、服の質感、体のバランスなどが超すごい!

美少女を多く描いている

……でも、ちょっと変態っぽいというか、ロリコンの息吹を感じませんか(笑)

この人は、田舎の美少女を特に多く描いてるんですよね~。その絵を見ると、う~ん、この。

すごくリアリティがあって、とってもかわいい。この人が書く少女は、本当に「美少女」って感じ。でも、なんというか、清純さ以外も感じると言いますか。描き方がロリコンっぽい。

特に目ですよね。少女がこっちを見るている構図が割とあるんだけど、その目つき。そこにエロスの雰囲気がある。

これは、男が女を見る時の目つきの裏返しでしょう。描いている人にエロい感情があるからこそ、描かれた少女の目つきにエロスの気配があるのでは!

みなさん、どう思います? 私の完全なる誤解ですかね(笑) でも、女性の画家は少女をこんな目つきで描かない気がするんだけどな~。

忘却と再評価

生前はアカデミーの重鎮であり、すさまじい画力と男性に受ける美しい絵柄で高い評価を受けていたブグロー。しかし、死後には忘れられてしまいます。

これには絵画の流行の変化が関係していたり。アカデミズムが主流だった19世紀のヨーロッパ。しかし、それに反対する形で新しい絵画が生まれてきたのです。

代表的なのは印象派でしょう。ブクローを中心とするアカデミズムは印象派を認めませんでした。写実性を重視する伝統的なスタイルとは全然違いますからねぇ。

しかし、だんだん印象派の評価は高まり、ついには時代の中心となります。逆に、アカデミズムは時代遅れの古臭いものとして否定され忘れられていくことに。

歴史は勝者が作り、敗者は存在ごと消されていく。どんな分野でもありますよね~。

その後は、印象派の流れを受けてキュビズムなど伝統を否定した新しい芸術が評価される時代が続きます。

ブグローさんが再評価されるのは1980年代になってから。歴史の流れってのも面白いものです。

 

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