生物を記録するための詳細なイラスト、博物画を並べてみます! きれいですよね~。前半が植物画、後半から動物画。
(この記事の画像は、全てウィキペディアより)
博物画
博物画(natural history illustration)もしくは図鑑絵とは、動物・植物または鉱物などの観察対象の姿を詳細に記録するために描かれる絵のこと。
植物画( botanical art)と動物画(zoological art)に大別され、動物画はさらに外形を描く肖像画(portait)と内部を描く解剖画(anatomical art)に区分されます。
美術における静物画とは違って科学性が重視されるジャンル。正確な観察には博物学や解剖学の知識も不可欠であったことから学者の指示を受け作画が行われたそうですよ。
屋外で素早く写生する必要性から速乾性の絵具が用いられ、時代が進むと下絵を元に銅版画を作ったりもしたとのこと。
博物画が発展するのは、何といっても16世紀以降の大航海時代! 経済的に有用な植物を確保するためプラントハンターと呼ばれる植物採集者たちが世界中に散り珍奇な植物を探して回ったり、動物や鉱物なども採集も進められました。
世界各地で新種の動物・植物・鉱物の発見され、それを分類する手段としての「博物学」および記録するための博物画が大きく発展。まだ写真がなかった時期ですからねぇ。自然を記録するにも絵に描くしかなかった。未知の動植物を記録する、夢とロマン!
作業時間を短縮し、記録するものを目立たせるために博物画では背景は省略されることが多いですね。これによって非常にすっきりと見やすく、写真とは違った魅力が。
事実、19世紀には写真が登場しますが博物画は利用され続けています。写真は全てをそのまま映すだけであり、人間としてはやはり人間が描いた絵の方が特徴を理解しやすいってこと。
それにしても綺麗ですよね、博物画。芸術作品として描かれているわけではありませんが、自然の素晴らしさを丁寧に描いたイラストは非常に魅力的。自然の美しさ、そして人間の技術はすごい!