今こそ「戯言シリーズ」について語りたい!

特徴的な文体! 濃すぎるキャラクター! これぞライトノベル!

というわけで、今回はライトノベル「戯言シリーズ」について語ります。

作者はあの西尾維新さん! そして、戯言シリーズこそが彼のデビュー作。第1作目の首切りサイクルは2002年発売。

なんだか、化物語シリーズの大ヒットで「西尾維新=物語シリーズ」みたいな風潮が一部である気がするけど、いやいや戯言シリーズも超面白いのです!

いつも不運と惨事に巻き込まれ、そしていつも周りに不運と惨事をまき散らす「いーちゃん」、青色の天才少女「玖渚友」、そして人類最強「哀川潤」。この3人を中心に展開される事件と思想と理論武装。

文章もキャラも過剰に濃い! それがいい!

第1巻「クビキリサイクル」の冒頭から、もういきなりに文章が濃い。言葉遊び・皮肉・思想が詰め込まれている。開幕から西尾維新空間。

まぁ好き嫌いが分かれると思いますし賛否両論でしょう。厨ニ病的な雰囲気なのは否定できない。ネット上でも何度か意見の対立している会話を見たことあります。でも、好き嫌いが分かれる文体ってすごいと思いませんか? ちなみに私は大好きです。

普通の人の文体は特徴が薄すぎて好きも嫌いもない。そりゃ「あの作品のキャラが好き」とか「この小説のストーリーは嫌い」なんてのはよくある話。

しかし、文体・文章そのものに好き嫌いが出るってことはそれだけ個性があるってこと。やっぱ西尾さんは天才ですよ。

この厨ニ病的な文体と、やたら濃いキャラクターたちと、彼らが繰り出すセンス抜群のギャグこそが戯言シリーズの大きな魅力だと言えます。

キャラが濃い!

戯言シリーズに出てくるキャラは、みんな特徴的。特徴がありすぎる。

例えば主人公の「いーちゃん」。なんと、彼は最初から最後まで本名が分からない! 名前の分からない主人公……すごいと思いません? みなさん、こんなキャラ設定を思い付けますか? 少なくとも私は100年アイディア練っても無理ですね(笑)

メインヒロイン(?)の玖渚友の一人称は「僕様ちゃん」! いやぁ、とんでもない。僕様ちゃん、僕様ちゃんですよ。1人称でキャラ付けするのはラノベの基本だけど、ここまで強烈なのは見たことない。

ラスボスである「狐さん」の存在感はやばい。オーラが出すぎてる。スーパー狐さん空間。小説以外の漫画・ゲームなどを含めた全てのフィクションを通して、私の好きな悪役トップ10に入ります。良い悪役が出てくる作品は、良い作品。

あと、一部のキャラは名前もすごい。「零崎人識(ぜろざき ひとしき)」とかね!

私は「小説家になろう」と「カクヨム」でweb小説を読むのが趣味なんですが、やっぱ文章もキャラの濃さも全然違います。そりゃ素人とラノベ界の巨人を比べるのは酷だけど、その差こそが一般人と天才の差だと言えるでしょう。

ライトノベルが好きって人は1度は読んでみるべき名作。そしてweb小説が活発化している現在、「自分もライトノベルが書いてみたい!」という人なら参考資料として押さえておくべき必見の書だと思いますね。真似するかはともかく、これぞライトノベル。

キャラクター1人1人を語ると無駄に長くなるので、お気に入りの人たちについてはこちらで書きました。ただし戯言ファン向け。ネタバレもあり。

戯言シリーズで好きなキャラ、ベスト10
戯言シリーズ、人間シリーズの中で好きなキャラを独断と偏見でランキングします。濃いキャラばっかりで楽しいラノベですよね! 10位 誰でもない彼女 地味にいーちゃんから勝ち逃げした貴重な人物。これは第1作クビキリサイクルから最終作ネコソギラ...

ちなみに戯言シリーズは割とキャラが死にます。かわいい女の子も死ぬ。ここも私の好きな点。お気に入りの人が退場すると悲しいけど、物語全体として見れば消えるキャラがいるからこそ緊張感と盛り上がりが出てくるんじゃないかと。

ここから先はストーリーのネタバレが増えます。既読の人向け、未読の方は注意!

ミステリーだったはずが異能バトルに

戯言シリーズについてよく言われるのが「途中でジャンル変わったよね」だと思います(笑)

全9巻

クビキリサイクル

クビシメロマンチスト

クビツリハイスクール

サイコロジカル上・下

ヒトクイマジカル

ネコソギラジカル上・中・下

このうちでクビシメまでは一応ミステリー。まぁ、推理物としてみればクビキリの時点でだいぶ無理がある気がしますけど……

クビツリからヒトクイまではぎりぎり推理要素があると言えなくもない。でもネコソギラジカルは完全にミステリーの皮を投げ捨ててる! プロデビューした作家でも最初のコンセプトから脱線したりするんだな~、と親近感がわくというか(笑)

でも、まったく違和感がない。戯言シリーズとして、いーちゃんの物語として軸がぶれた感じはしない。普通に超面白い。

これは1作目のクビキリの時から、天才と変人をメインテーマにしてたおかげで天才と変人さえ出てれば雰囲気が変わらないからなんでしょうね。

ちなみに方向転換という点ではタイトルもそう。クビキリ・クビシメ・クビツリと「クビ」統一だったのに4作目のサイコロジカルでネタ切れ方向転換。

そこからヒトクイマジカル・ネコソギラジカルと「~~~」で最後がル縛り。しかし、そうみるとクビシメロマンチスだけが仲間外れ。

方向転換したせいで意外なやつが孤立してしまったという、なかなかに面白い展開。ちなみにさらに深読みすると、クビシメロマンチストだけは天才ではなく一般人の物語なので内容的にも仲間外れと言えなくもないのが2重に面白い気がしません?

玖渚友とやり直すシーンが書かれてない!

私が戯言シリーズについて1番突っ込みたいというか、納得してないというか、語りたいのは「狐さんに勝った後、玖渚友とやり直すシーンが書かれてない」ってこと!

狐さんを倒した後はいきなり4年後に飛んじゃって、2人は結婚して幸せに暮らしてるけど……いやいやいやいや!

いーちゃんを解放し、1人で死ぬ覚悟を決めた玖渚友。これを説得するのは超絶大変だったはずなんですよ。いーちゃんの人生で最も真剣かつ必死に話をしたんじゃないかと。玖渚友としても重い決断で、そしてあの性格。そう簡単に撤回するとは思えない。

さらには、友が能力を犠牲に生き残る奇跡を起こす。周囲に話を通して結婚する。この間には最低でも本1冊分にはなる物語があったはず!

いーちゃんにとっては狐さんを倒すことよりも、玖渚友とやり直すことの方が人生にとって重要な出来事だったと思いますし。いーちゃんにとっては玖渚友こそが大事なもので人生のはず。しかし、2人がやり直すシーンが書かれていない!

戯言シリーズをある種の恋愛ものとして見るならば、メインヒロインとのメインイベントが読めないわけで!

いやまぁ、小説としてのテンポを考えれば適切な構成だとは思いますよ。狐さんを倒した後に玖渚友編を長々とやってもね。戯言シリーズは異能バトルであって恋愛ジャンルとは言えないし?

それでもねぇ、青色サヴァンに始まり青色サヴァンに終わるのが戯言シリーズでありいーちゃんの人生なんだとしたら、この場面こそがクライマックスでしょう。

ここを書かないのが西尾維新さんのセンスなんですよね~。いーちゃんの名前、2人の出会いと大惨事になった過去の騒動、狐と鷲の大戦争、超重要なのに書かれてない部分がたくさん。書きすぎない、それが読後の余韻を残す。思わせぶりな謎を作って置いていく。

いやー、そう分かってても2人のやり直しシーンは気になる。きっと玖渚友はめちゃくちゃに喜んだと思うんですよ。それこそ言葉では表現できないぐらいに。

文章もキャラも濃く、思い出に残る。語りたくなる魅力がある。素晴らしい作品です。

 

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