女性向け恋愛作品9選! (web小説)

甘酸っぱい&ハラハラドキドキ……! 現実世界のリアリティ! ファンタジー世界のロマンチック!

=世界観が良い!

=特に管理人のお気に入り

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現実世界

完結

私の教授がエロラノベ作家なので卒業しちゃってイイですか?

私の教授がエロラノベ作家なので卒業しちゃってイイですか?(成井露丸) - カクヨム
卒論執筆ラブコメ開幕!?気付かぬ恋の始まりと、進まぬ卒論にドキドキ!

225,034文字

卒業論文の相談をしにきた、主人公の「エリカ」は驚きの事実に遭遇! なんとイケメン大学教授(42歳)はエロラノベ作家だった。秘密を知ることで意識するようになってしまって……? そして研究に対する要求水準がすごく高い!? 卒論執筆ラブコメコメディ

だいたい、恋愛:卒論研究=50:50ぐらい。経過がとても本格的で面白い。執筆が進んでいくのは応援しちゃうし、発表シーンも臨場感あります。恋愛シーンは控えめだけど、心理描写が丁寧。教授が実に魅力的なキャラクターで、エリカさんが惚れるのも超分かりますね~。作家モードの天然さと、教授モードの冷静かつ頼りになる有能さの2面性がステキ。

ネタバレありの感想

「……掛け算?」
「そう、掛け算。例えば、今回の例だと、ネットワーク科学とオークション理論、……えっと、オークション理論だと狭すぎるから、メカニズムデザインとでもしておこうか、それらを掛け算するんだ。その両方のエッセンスを持つような現象を見つけて、その両方の視点から議論するっていうのかな? そうすると、なんとも新しい感じになることが多い」

下吹越エリカは椅子に座ったまま天井を仰いだ。

『小説投稿サイトにおけるソーシャル・ネットワークのネットワーク分析とインセンティブ・メカニズムがそれに与える影響の解析』

それが、暫定的に決まった下吹越エリカの卒業研究のタイトルだった。

テーマ設定の方法、発表の空気感などがめっちゃリアル。そして3か月しかないのに言語学習から独自プログラム制作までさせられるとか超ハード! 要求水準たっか! エリカさん頑張りまくり。

web小説サイトのユーザー間ネットワークを分析する」というテーマもすごく面白いです。フィクションなんでしょうけど、発表時の分析結果にはうなずけるポイントが多い。

教授もほんと良いキャラしてます。

「……『聖☆妹伝説セイント・シスター・レジェンド アポカリプス』はエロラノベではない。……あれは、異世界転移系の王道ファンタジー小説だ!」

自信に満ちた南雲仙太郎の一言に、下吹越エリカは一瞬言葉を失う。
窓から差し込む西日が雲に遮られ、仄かに暗くなった教授室で、天井についた蛍光灯がチカチカっと点滅した。

下吹越エリカは頭の中で、自宅のベッドに寝転がって読んだ「聖☆妹伝説セイント・シスター・レジェンド アポカリプス」の第一巻の内容を反芻した。
ニャンニャンいいながら主人公にやたら胸を揉まれるエルフのナターシャ、主人公に回復魔法を掛けるための魔法力を得るために主人公にキスをせがんでは「あんっあんっ」言う女魔法使い、無駄に頻繁に全裸にされる妹のカエデ……その他もろもろ。

(あれが、エロラノベじゃない……ですって?)

教授によって示された大胆な仮説に下吹越エリカは息を飲んだ。

作家モードの時はボケまくり! ペンネームの「未恋川騎士みれんがわ ないと」が絶妙なダサさ(笑) そして、ラノベとしてもエロ描写がきつめ(笑) ものすごくそれっぽい。

でも、教授としてはかっこいいんですよ~。終盤に事件が起きた時なんか、超有能イケメン。絶望していたのにスパっと復元してくれる。これは心打たれますわ~。

あとケイコさんが優しくて有能。肉食女子で男を見る目はきびしいけど同性の友人としては頼りがいありそうで、こちらもすごく良い味してます。

がっつり恋愛もの、というより女子大生の物語として個性的かつハイレベルに仕上がっている作品です。

 

宇宙との交信

156,695文字 (カクヨム版

始まりは高校生の時に受け取った間違いメール。返信をしてあげると謝罪文の最後に”宇宙人”という名前。そして星々の画像。相手が単なる地球人の宇宙バカだと気づいたうえで2人の不思議なメール関係が始まった。そして主人公が進学した大学で、偶然にも送信先の相手を発見し……?

1人称で進み、主人公の心の中で思っていることが軽快かつユーモアたっぷりの文章ですごく楽しい。センスがあり何度も笑ってしまう。主人公「みはる」のキャラ立ちがすごいし、周りも良い感じに濃い奴ばかり。

とても軽快で読み始めると止め時が分からなくなる作品です。私は完全に一気読みさせられました……

ネタバレありの感想

私は宇宙人と交信している。

その宇宙人は単なる地球人であり、単なる宇宙バカだ。本当に、間違いなく、迷うことなく、宇宙バカだと断言できる。
元々間違いメールから始まったその交信は、半年ごとの本当にたまにある繋がりだった。
それが、何の因果か、大学に入り宇宙人と遭遇することになってしまった。完全に巻き込まれた形で。

宇宙人のうっかりが同じ大学に呼び寄せる鍵なのか? と言うことは、私がD判定を覆してこの大学に入学できたのは、宇宙人の吸引力によるものなのかも。これは、宇宙人を神として崇め奉らねば!
私は心の中で手を合わせながら、から揚げを咀嚼しつつ、宇宙人という名の神の姿を眺めた。神が彼女といちゃつくという俗世間にまみれている様子は信仰心を高めるのにはよろしくなさそうだけど、まあ、神には違いない。

短い引用文だけじゃ面白さを伝えきれませんね……ぜひ自分の目で読んでください。
主人公の「みはる」さんは、人を名前で呼ばないんですよ。「宇宙人」「宇宙人の友達」「男の娘」「偽勇者」、そういう変な属性で人を覚えてる。これがすごく楽しい。

各キャラの掘り下げは少ないけど、むしろそれが良い感じ。リアリティがあり主人公のマイペースで変わった性格そのままの終わり方というか。キャラがみんな自由に楽しく生きている。ステキな空気。

そして恋愛ものだけど、良くも悪くも主人公は恋愛モードになるのは最終盤になってから。この作品ならではの個性的なところですねぇ。偽みはるが出てきたときの話とか、普通ならあそこで「謎の嫉妬→恋心自覚」のコンボが発動しそうだけど傍観者のままだし。

でも、最後の最後で先輩に押し切られて恋愛関係に突入! いいぞ宇宙人、よくやった! ガードが固すぎて強めに行かないと話が進まない。というか6年も待ってくれた宇宙人がいい奴すぎる(笑)

 

最先端技術ストーカーな女子高生(親友)から美男子(幼馴染)を守れるサイバーセキュリティって、それ私じゃん!

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159,499文字

高校生の「西野未央」には2人の仲の良い友人がいる。1人はITが得意な天才少女、もう1人は美男子の幼なじみ。ある日、天才少女が幼なじみに恋をして、そこからストーキングを始めてしまい……!? 未央の可憐な防衛戦が幕を開ける! 青春ITラブコメディ

軽快でユーモアたっぷりの文章が楽しい。かなり笑っちゃいます。メイン3人のキャラがなかなか濃くて良い感じ。IT関係の描写も本格的でリアリティがある。その分、知識が無いとやや読みにくいかも。しかし説明が上手いのであまり問題にはならないんじゃないかと。

ネタバレありの感想

「……でも、そんな都合のいい記録なんてどうやったら出来るの?」
首を傾げる私に、天才女子高生ノドカはニヤリと口許に笑みを浮かべた。

「そこで、ディープラーニングの出番よ……!」
「ディ……ディープラーニングッ?」

ノドカの口から発された高校一年生のピチピチ女子高生らしからぬキーワードに、私は後頭部をゴブリンの棍棒で殴られた時くらいの衝撃を受けた。

「ディープラーニングって、最近の人工知能ブームでやたら言われているやつじゃないの? 先月号の月刊Newtonニュートンでも特集されてたわよ。最先端の技術なんじゃ?」
「フフフ……、だめよ未央、そんな素人トーシロみたいな事を言ってちゃ……」
声を大にしていいたい。わたし素人トーシロですっ!
恋に恋する、普通の女子高生なんですっ!

私の幼馴染の木之瀬幹哉くんは飼育委員なのだ。しかも、凄い飼育委員。
小学校一年生で飼育委員になってからかれこれ十年、小中高に渡って飼育委員の歴任している。ただの飼育委員ではなく、年季の入った飼育委員、生粋の飼育委員なのである。多分、この地域の高校の飼育委員で彼に敵う者はいない。飼育委員にも甲子園みたいな大会があればいいのにな。きっと、幹哉くんは優勝だ。うん。

この絶妙な空気感! 細かいセリフ回しにギャグセンスが光る! 主人公の未央さんは基本的に突っ込み役なんだけど、意外と本人もボケまくってくるのが面白い。

個性もりもりのキャラとテンポの良いギャグの連続で話を進めていくという、学園ラブコメの王道的な方向性。グイグイ読み進めちゃいますね!
天才少女でお嬢様で恋する乙女でストーカー気質な「ノドカ」さんも、こってこてなキャラ造形なんけど魅力的。

異世界

完結

北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし 

527,618文字

陽気な名ばかり貴族「リツハルド」と元軍人の年上妻「ジークリンデ」の雪国暮らし。寒さの中での狩り、仕留めた獲物の解体作業、暖炉の火で料理、手作業の商品作り……毎日の生活は穏やかに過ぎていく。ほのぼの恋愛物語。

一応、異世界らしいけど魔法は出てこず、かな~り現実的で堅実な生活が展開されます。トナカイは宝物。銃が出てくるので時代的には近代? 丁寧に描かれる村の暮らしは強いリアリティが感じられますね。

個人的には文章中に時々出てくる「!」「!?」が地味に癖になる(笑) 読んでもらえば分かりますけど、その時のキャラの表情を想像するとニヤニヤしてしまう。軽く読めてラブラブ系の恋愛web小説なら、まずはこれをおすすめしたいところ。

ネタバレありの感想

2人の仲良しっぷりがたまらない。そして、出てくる料理もおいしそう。読んでてものすご~く癒されまくる作品。

昼食もかなりの量が用意されている。
潰したジャガイモの上にあるのはウサギの香草煮込み。深型の木皿に装われているのは肉団子のベリーソース絡め。パンはいつもの黒麦パン。焼きたてだからか厚めに切り分けられていた。ふっくらこんがり焼きあがったキノコのスープパイは、サクサクな生地と濃厚なクリームと一緒に食べれば至福の時を迎えることが出来る。脂の乗った白身魚のチーズ焼きはふっくらとした身が口の中で蕩トロけている。

ジークはこの国の食事は自国のものより美味しいと絶賛してくれた。
我が家の食事は唯一の自慢だったので、認めてもらって思わず顔もにやけてしまう。

商人から買う食材は高い品ばかりではあるがなるべく良い物を購入し、美味しい食事を作って貰う為にお金を惜しまないようにしようと心に決めた瞬間である。

食事シーンがいっぱい出てきて、どの場面もおいしそうなんですよねぇ。

恋愛ものとして見ると、始めはギクシャクだけど、すぐにラブラブ。ベタ甘まったり。ハラハラドキドキする展開はないので恋愛ものに緊張感を求める人には少し合わないかも。

ジークはペンと交換日記を掴んで手元に寄せ、何かを熱心に書き始める。それはすぐに自分の目の前に差し出された。

交換日記にはこう書かれてある。

――好きな色は今度探してみる。それと、ここでの生活は、とても刺激的で至極愉快だ、と。

書かれてあった文章を読み、こわばりかけていた表情も緩んでしまう。

「これって、悪くないってこと?」
「交換日記の内容を答えたら意味が無いのだろう?」
「!」

そんな風に言いながらジークは悪戯っぽい笑みを浮かべる。

いきなりの不意打ちで見せられた微笑みに、うっかり心を鷲掴みされてしまった。

2人ともいい顔してそう……!
おいしそうなグルメものとしても、リアリティのある日常ものとしても、あま~い恋愛ものとしても高品質な作品です。

 

沼地のドロテア

沼地のドロテア(八鼓火/七川 琴) - カクヨム
奪うために与える、与えるために奪う

327,671文字

父親が沼の浄化事業に失敗して多額の借金を背負った魔法機械工の女性「ドロテア」。悪臭と体調不良に苦しみ、手伝いを雇っても気味悪がって逃げてしまう。さらには変態悪魔による妨害も。現れた救世主は狼の獣人!

男2人がドロテアを取り巻く三角関係。エンリケさんがとても良いキャラしてる。また、恋愛面だけでなく設定が個性的。死の契約など悪魔族の設定がとても退廃的な雰囲気でいいし、汚染された沼地を舞台にするのが個性的。

浄化にいそしむスライムたちを想像するとかわいい。個人的にはスライムの様子を書きまくる話が欲しかったぐらい(笑)

 

タイガの森の狩り暮らし〜契約夫婦と東欧ごはん〜

288,131文字

絶世の美女であり、凄腕の狩人でもある「オリガ」。そして、針葉樹林の森で彼女に保護された訳あり貴族の「ミハイル」。2人は互いの利益のために契約結婚をするが、すぐに本当の愛に変わり……

自然の恵みを使った日常ご飯×ラブラブ恋愛。料理から食事のシーンはおいしそうだし、2人の仲が進展していくのはたまらない。

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ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん

205,262文字

高飛車で誤解されがちな令嬢「リーゼロッテ」。その婚約者である王子は、ある時謎の声が聞こえるように!? 彼女の内心が暴露されると、実は親切で優しく、そして王子のことが大好きだった!

乙女ゲームの実況解説がキャラクターに聞こえてしまうというアイディアが面白いし、何より王子とリーゼロッテがとてもかわいい! ツンデレ優しいリーゼロッテと、そのかわいさに胸を打ちぬかれまくるイケメン王子。

ネタバレありの感想

「いくら婚約者といえど、人目のあるところで気安く私に触れないでいただけますか?」

『そういいつつも表情はまんざらでもなさそうだ!
なのになぜ素直にかわいく嬉しがることができない……!』

『彼女はツンデレですからね。
恥ずかしさが閾値を越えるときつい言動をしてしまうのでしょう。
ただここでおさえたいポイントは、人目がないところであればかまわないと言ってるも同然ということです』

『ツンが強い!ツンが強いぞリーゼロッテ!
これはさすがにやりすぎかっ!?』

『リーゼロッテの今の言葉、単に“私もまぜてー”という意図なのでしょうが、婉曲過ぎる物言いと日頃の尊大すぎる振る舞いとで完全に誤解されてますね。
これでまた殿下のリーゼロッテに対する好感度が、がくんと下がったと思われます。
これは由々しき事態です……!』

緊迫した空気の中庭に、突然奇妙な男女の声が響いた。
力強い印象の男性の声と、落ち着いた印象の女性の声。
このときより天から降り始めたこの対照的なようで絶妙に噛み合った2つの声は、後に『実況の遠藤くんと解説の小林さん』としてこの国の歴史書に記される、偉大なる2柱の神々のものであった。

ううむ、天才的アイディア! 実況解説のセリフ回しが実にそれっぽくて序盤から面白すぎる! 冷え切った空気になるはずのシーンが、爆笑甘々に! こういうセンスある人は本当に尊敬しちゃいます……

そして、解説されちゃうリーゼロッテがとてもかわいい! 実は恋する乙女モードMAXのリーゼさん。出てくるたびにかわいい。その魅力が見えてしまえばジーク王子がメロメロになるのも当然、読者もニヤニヤが止まらない!

地球と乙女ゲームの世界の2重進行、やや複雑な構造ではあります。しかし、実況解説という奇抜なアイディアによってヒロインのかわいさが倍増されている。
甘々な恋愛シーンがたまらない作品です。

 

女帝の後宮

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139,278文字

女帝懐妊の報は、国を揺るがした。後宮には美姫三千人が仕えるばかり。女帝は、死別した先帝以外の男と夜を過ごしていないはず。女書記官として働く主人公は調査を命じられ謎にせまっていく。

中華風にふさわしく服装の書き方などにこだわりが感じられ、華やかな世界が読んでいて楽しい。ミステリーとしては序盤から大量のヒントが出てくるので、割とすぐに予想ができるはず。でも、謎の答えが予想できたあとでも恋愛ものとして高品質。中盤から真実が見え始めると共に迫力が増します。

ネタバレありの感想

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髪を高々と結い上げて頭上に大きく輪を作る、凌云髻りょううんけいに結い上げて、黄金や翡翠などの玉で出来た花鳥を模した釵をふんだんに飾り付けている。

 色艶やかな萌黄色の上襦と下裳は、彼女の柳のように細い肢体を際立たせるように身体にまとわりついて、華やかな銀蓮の容姿を引き立てる。

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出てくる姫がどれも美しい。ヨーロッパのドレスもいいけれど、中華の服装もすばらしいですよね。

ストーリーは主人公が書記官、ちょっと珍しいポジションな気が。

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夜伽の記録をするのが丹史たんしと呼ばれる記録官であり、それらを纏めて記録するのが、書記官の仕事であった。

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中華後宮ものは他作品を全然読んでないので分からないけど……丹史を中心にするのも一般的なんですかね?

丹史は皇帝の性行為を記録するのが仕事。これがなかなか面白い。普通なら行為は当事者しか知らないけど、皇帝にプライバシーなどなく記録が残りまくりと。主人公は乙女だけど過去の行為記録を何度も読まなきゃいけない。羞恥プレイ……? 主人公の純真さと物語としてのエロチックな雰囲気が両立している。

ストーリーは切ないですねぇ。みんな幸せになってほしい……キャラの幸せを願える物語は良い物語。

しかし、正体が分かってから丹氏の記録を読み直すと現皇帝陛下もひどいやつですよ。けっこうノリノリに見える(笑) 主人公は純潔を守ってるのになぁ。子供がいるってことは本番もしまくりだし。いや血統を維持するために必要なのは分かるんだけど……普通に楽しい気分になってそうなのが。

筆力のある中華後宮ものです。

 

臆病なうさぎさん

132,298文字

貴族の娘「マリエール」は侯爵「バロン」に嫁入りするのだが、どうにも対応が冷たい。しかし、その理由は夜になるとウサギになる秘密を彼が隠したがっているからだった! 2人の夫婦関係はどうなっていくのか?

うさぎモードのバロンさまに萌える。想像すると超プリティ。ファンタジーならではの要素を上手く恋愛ものに組み込んでいる。

また、マリエールの感情の変化が良い。秘密を知ってからも最初は義務感と保護者の気分、恋するのは途中から。そりゃー、始めは男としてよりも小動物としての魅力を先に感じちゃいますよね(笑)

ネタバレありの感想

マリエールは、じいっと兎を観察してみる。
本当にこの兎はバロンなのだろうか。

(毛は黒で瞳は青。確かにバロン様と同じなのよね。目の形も吊り上がってて、兎なのにツンとした感じがまた似てるのよ)

「こんにちは、兎さん。私、今日からこの家でお世話になるの。よろしくね」
「…………」

兎はしばらく惑うように視線を右往左往させたあと。

「あ」

前足を、マリエールの差し出した指の先に乗せ、頷いた。
マリエールは思わず顔をほころばせてしまう

「可愛い」

うさぎは、かわいい!
また恋愛ものとしても、呪いを隠そうとして冷たい態度をとってしまう、というファンタジーならではの要素を上手く使っているのが良い。

そして、ここら辺の心理描写がリアリティあって印象に残ってます。

妻として、役に立たなければと思っていた。
家族になるのだから、助け合わなければと思っていた。
バロンのことは好きだけど、でも恋や愛には、まだ届いていない。
だって彼は、マリエールに対して決して優しくはなかったから。兎の可愛い姿以外でときめく要素が、正直あまりなかった。

(なんて言うか、むしろ不器用で手のかかる子を見守る母のような気持ちというか……)

うさぎと恋愛ものが好きな人は読んで損なし!


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連載中

 

やっぱ恋愛は物語の王道ですよね!