小説家になろう、おすすめ完結作品ベスト34! (2018年8月版)

完結してるから安心して読める! 書籍化済みの大人気タイトルから、隠れた名作まで紹介。

500作以上を読んできたweb小説大好き人間である私「イマ猫」が、自信をもって超おすすめできる作品のみを選びました!

タイトルをクリックで本編に移動できます。

異世界ファンタジー(バトル中心)

死神を食べた少女

335,278文字

戦乱で人々が苦しんでいた時代。お腹が減って死にかけていた少女の前に、大鎌を持った何かが現れる。その結果は……!?

強くて腹ペコな主人公「シュラ」が、国同士の戦争の中で深い考えもなしに大活躍していく物語。出世すれば美味しいものがたくさん食べられる! 不利な状況になっていく血みどろの戦争と、楽しそうなシュラさま御一行が面白い。

長すぎず読みやすい分量。小説家になろうでは古めの作品で、質のいい中編と言えばこれ、って感じ代表格。

迎え入れた城兵達は、息を呑みそれを見守るしかなかった。白い鳥は真紅に染まっている。何人の敵兵の命を吸い込んだのか。

シェラは血塗れの鎧を身に着けたまま兵舎食堂へ駆け込む。ありったけの食料を持ち、兵達の待つ宿営地へと向かう。生き残った騎兵達は笑みを浮かべながら、指揮官と共に食事にありつく。仲間と美味しい食事を取ることが出来、シェラはとても幸せだった。


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霧の塔、白銀の杭

109,762文字

空から落ちてきた少女は吸血鬼だった!? そして、それを見つけた少年は機械の体! 吸血鬼×スチームパンク。

ひねりの効いた世界観がとても良い雰囲気を作っている。化け物は金属を嫌う、という設定はすごい好き。ストーリーも王道的なボーイ・ミーツ・ガールだとは言えるが、ダラダラした無駄な部分がなく戦闘シーンは熱い。

総合的な完成度がすばらしく高い良作。文章量としても本1冊分で読みやすいし、とてもおすすめ。

 途端に、街を囲む防壁が次々に甲高い音を立てて蒸気を噴き出し、傘のように装甲板を展開させる。
露出したその内部では歯車が勢いよく回転し、次の瞬間、胞子のように金属粉を撒き散らした。
陽光を受けてきらきらと乱反射する金属粉が歯車の起こす気流に乗って舞い上がり、街の外周を覆っていく。

 

夜明けのムジカ

123,339文字  (カクヨム版

300年前の戦争で文明は断絶し、人々は遺跡から資源と技術を発掘して暮らしていた。探掘屋の少女「ムジカ」は、暴走する大昔の自律兵器に襲われるさなか、謎の『人型』自律兵器と出会う。危機を脱するために主人登録したものの、人型兵器なんて存在しないはずであり……?

エーテル! 自律機械! 古代文明! 歌! ロマンが詰め込まれた世界観が貯まらない。こういうのすごい好き。

ストーリーは正統派で完成度が高い。最初は機械ならではの天然ボケを連発する相棒に困り、徐々に距離が縮まり、情報がもれることで陰謀の魔の手が迫る! 無駄の無い文量でハラハラドキドキさせてくれます。

『我は月 其方そなたは星 共に寄り添うことを願うもの』

 韻を踏み、高く低く通路に響き渡るのは、自律人形である奇械へと干渉するための指揮歌リードフレーズだった。

 特殊な発声法で紡がれる指揮歌にエーテル結晶で作られた変換器が反応し、ムジカの手から淡い緑の光がこぼれる。

 

猟犬クリフ~とある冒険者の生涯

416,009文字

幼いころに両親を亡くした少年は成長し、凄腕の賞金稼ぎ「猟犬クリフ」として様々な事件や賞金首と対峙することになる。1人の男の活躍と人生。作者さま曰く、「ファンタジー風味の時代劇&西部劇」。確かに1章はそんな感じ。

山あり谷ありの展開で、何度か割と強烈な鬱展開もあります。かなりの悲劇なので読む人は選ぶでしょう。だけどそれがいい。人生は良いことばっかりじゃない、作者さまの感性に共感しちゃいますね~。普通なら1章の終わりで、めでたしめでたし、なのでは?

主人公の最期まで書ききっているのも好み。やはり幸せな一生だったのかは、死ぬ瞬間に満足できるかどうかで決まるんじゃないかと思いますね。孤独な賞金稼ぎから、慕われる英雄に変わったのを見ると胸を打たれる……

 そして後の世に「冒険者」と言えば必ず名前が上がる英雄が現れる。

彼の名は「猟犬クリフ」。
その伝説的な冒険譚は誰しも耳にし、男子ならば憧れ、後の世の冒険者の指標となった存在である。

異世界ファンタジー

園丁の王

109,344文字

根暗な造園家と物怖じしない元傭兵の弟子の物語。天才造園家の過去とは? 中世~近世ファンタジーだけど、魔法的なものより人間関係がメイン。登場キャラは少ないんだけど、その分だけ主要キャラにとても厚みがあります。

空気感がものすごく好み。戦いも冒険も恋愛もない。良いことだけじゃなく辛いことも起きる。派手で分かりやすいストーリーがあるわけじゃない。しかし、なんというか「人生」が感じられる作品。

10万文字=だいたい本1冊ぐらいの分量で、まったくダラダラした展開がない。そこまで長くないのでおすすめ度で言えば1番。

中背の痩躯は、常に黒か、限りなく黒に近い暗い色の衣装をまとっている。右の袖が空虚に垂れ下がっているのは、事故により右肘から先を失ったためだという。その際に彼は右腕だけでなく、妻をも失った。

 

森蝕時代のオーク鬼たち

114,104文字

意思を持ち巨大な樹海と化したマンドラゴラ「森の王」、その恵みを享受し崇め共生するオーク鬼たち、そして死の森の拡大に対抗する人間。連作短編の群像劇。

剣と魔法のファンタジー……かと思っていたら、空間・時間の両面で加速していくスケール感がすばらしい。SFとクトゥルフ神話のエッセンスを取り組みつつ、壮大な物語に仕上がっている。

 彼らは種を蒔く。
いつかここではない場所で、自らの血脈を継ぐものが生まれるようにと祈って。
この宇宙を自分たちの――いや、森王の因子で犯すのだ、蝕むのだ。彼らの神の意志に応えるために、広大無辺な宇宙へと彼らは踏み出したのだ。

 

ユニエの森の物語

235,156文字

森の教会は戦争孤児である6人の少年少女たちが住み、血はつながっていないが兄弟として生活していた。長女「リーザ」は、ある日長男「シャーロ」に家を出ていくように言われ……!?

少年少女の苦労と成長。とても現実的な生活と商売が展開されます。シャーロ君まじ有能。魔法もモンスターも出てこず、ファンタジーというより近世ヨーロッパの話を見ている気分? 派手な展開はないんだけど、すごくリアリティを感じる。なんというか文章が上手い。

後半に入ってからの不穏な情勢もいい。身の回りの生活は良い方向に進んでるのに、それとは違うスケールで動いている国際情勢が幸せを壊しにくる。終わり方も純粋なハッピーエンドとは言いづらいんだけど、その分だけ物語の続きを想像せざるをえませんね。

ユニエの森は王都から東に馬車でふた月ほどの距離にある、いわゆる辺境の地だ。猟師や木こりとして生計を立てられるほどの広さはなく、それゆえに危険な猛獣たちも生息していない。

 森の入口付近にひっそりとたたずむ教会。孤児院としての役割を担っているその場所に、リーザと彼女の家族は暮らしていた。

 

猫とワルツを

233,747文字

傭兵上がりの副長が4人のヤンデレに奪い合われる! お互いを殺し合うのも辞さない本格的なヤンデレが魅力。生ぬるいハーレムとは一味違う! その分だけ、かなりの暴力的&精神不安定ヒロインなのでちょっと読む人は選ぶかも。

また、キャラの名前を強く打ち出す文体にも個性があって良い感じ。

「そうかそうか。わかった。ボクはもう、おまえを殴らない。誓う。これでいいか?」

「は、はははい」

駄目だ……びびっちまって……。声が、震える。

打って変わって、アキラは喜色満面の笑顔だ。答えを見つけて、すっきりしたと言わんばかりだ。

転移・転生要素あり

イカれた小鳥と壊れた世界

453,209文字

ある日突然ファンタジー系異世界に召喚された鳥取県在住女子高生、鳥飼小鳥。若干天然キグルの少女が送るへんてこテンション異世界日常物語。

混沌とした世界観に、バリバリ個性的なキャラクターたち。あふれでるパロディネタに、加速していくカオス。一応は異世界ファンタジーなんだろうけど、一般的な作品とはまったくストーリー展開と読後感が違います。ギャグコメディ。しかし、戦闘シーンは無駄に緊張感がありかっこいい。

ギャグが、ぶれない。最初から最後まで面白い。お気に入りのキャラはイカレさん。根は優しいがド畜生な部分も多くて笑う。

耳にほくろが三つ並んでいるだとか。カブトムシの越冬をさせたら右にでるものがいないとか。体から甘い蜜を出すとか。
もしそうならば彼の評価を上方修正しなければならないので尋ねた。

「カブトムシとかは関係ありません?」
「早速コイツと会話するのが嫌になってきたぞ俺」

 

無職転生 - 異世界行ったら本気だす –

2,835,125文字

小説家になろう、累計ポイント堂々の1位。異世界転生ものの代表作にして納得の完成度。

チート&ハーレムではあるけれど、両方とも描写が細かくて深い。主人公は強くて大活躍するけれども最強ではない。3人のヒロインが出てくるけれど、しっかりと責任を取って家庭を守っていく。恋愛より家族が基本軸というか。薄っぺらい楽勝人生ではなく、山あり谷あり。

世界観もテンプレなファンタジーを土台にしつつも、しっかりと独自の設定が生きている。さすがに面白いですわ。

 最後の瞬間は、ふわっとだが覚えている。
子供だの孫だのに囲まれて、幸せな最後だったと思う。
少なくとも、前の最後と比べれば、雲泥の差だ。
あのひとりぼっちで、無力で、惨めで、泣きたくなるような最後と比べれば……。


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人狼への転生、魔王の副官

1,461,246文字

人狼の魔術師に転生した元日本人の主人公「ヴァイト」。魔王軍としての都市占領、さらには人間との融和政策、国の発展、外交などなど……幅広い分野で大活躍!

剣と魔法とモンスターと魔王の世界、戦いの中でどんどん出世していく主人公。全体的な方向性で言えばweb小説としてのテンプレ。しかし、読み進めていくうちに設定にもストーリーにも作者の個性が光る。

設定面ではテンプレ西洋世界かと思えばエルフもドラゴンも出てこないし、攻撃魔法は使いにくくて戦闘は物理攻撃が中心で、それぞれの国の成り立り・地理条件・風土まで掘り下げられている。ストーリー面では主人公の前世が知識だけでなく人格にまでしっかり反映されていて、主人公が最後まで初代魔王さまを慕っているのが心を打つ。

作者さまは父親として家庭を持っている様子。大人が書いていることが設定・ストーリー両面に味わいを出しているのでしょう。私のイチ押しキャラはパーカーさん。そして、師匠も扉を開いた死霊術師だから未来まで存在しているのでしょうか?

「神話の時代は終わった。時代遅れの遺物が、今さらしゃしゃり出てくるな」

ようやく人間と魔族が一緒に暮らせる時代になったんだ。
魔族だから、異教徒だからというだけで殺し合っていた時代が、やっと終わった。
せっかくうまくいってるんだから、転生者だの勇者だの余計なものはもう出てこなくていい。


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異世界落語

495,651文字

世界を救う為、救世主を召喚せよとの命を受けたサイトピア国宮廷付きのダマヤ。だが、ダマヤが手違いで召喚したのは「ハナシカ」だった。これは、一人の噺家が落語で世界を救う物語。

落語を知らない私でもとても楽しめました。現実の噺を上手くアレンジして、ファンタジー世界の落語に変換しているのがすごい。解説があるので、元の噺を知らなくても大丈夫。

ストーリー展開自体にも落語のエッセンスがあって面白い。全体的に話・文章が上手いのは、やはり作者さまに落語の経験があるからなのでしょうか。

その瞬間――ざわと、酒場の空気が動いた。
前の方の席の者が、少し身を乗り出して、一福の手元を見ている。そして、しばらくして首を傾げた。
今の音を聞いて、一福が本当にスープを飲んだのだと思ったのだ。
だが、実際には一福は両手を丸く形づくりそれをお椀に見立てているだけであり、当然、その「エアーお椀」の中に実際チンチローネがある筈はない。分かっているのだが、それでも皆釈然としていない。


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払暁

190,085文字

異世界から召喚されてしまった主人公。魔術で男に変身し、爆発魔法で敵軍を撃退、回復魔法で1人の美貌の騎士を助けることに。しかし、性別を誤解されたまま彼から主従の契約をされて……!? 2人の関係の進展と、国の未来。

演劇のような、華やかで迫力ある文章に引き込まれる。文章の美しさがキャラに負けていない。また、恋愛面だけでなく異世界転移ものとしても工夫のあるストーリー展開で終盤の真実には胸を打たれました。

その隣に佇む少女に私は目を奪われた。艶やかな金髪は今夜の為に飾られ少女の華奢な首筋を際だたせ、意志の強さを伺わせる目は水晶のように輝いている。
温かみを感じさせる極めて薄い肌色で彩られた肌の上に、完璧な形の瑞々しい唇が不敵に笑っていた。
その姿形に欠点などは露ほども見あたらず、単純に美しいという言葉が自然と頭に浮かんだ。


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堕落の王

375,126文字

7つの大罪を元にした悪魔たちのいる世界。主人公は唯一にして絶対である怠惰の魔王として今日も眠り続ける。一応、異世界転生ものだけど地球時代ほぼ無関係。

基本的に主人公は動かない。どうしても直接に戦わないといけない時だけ、嫌々ながら出ていく。でも最強。超めんどくさがりな主人公が個性的な作品。ここまでのダウナー系はweb小説だと珍しい。

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気がついたら異世界に転生していた。
寝ていたらいつの間にか望んでもないのに魔王になった。
働かなくていいなんてこの世界、最高じゃないか。きっと日頃の行いがよかったからに違いない。
怠惰の味は蜜の味。栄光、勤勉、貞淑、名誉など興味もない。
堕落の王とは何を隠そう――この俺の事だ。

現代ファンタジー

魔法使いと行く海外旅行

172,986文字

ちょっと不思議な女の子メテムと、どこにでもいる普通の青年。そんな2人が地球各地を巡る。南アジア、東ヨーロッパ、そして中南米……外国には不思議で面白いものがいっぱい!

作者さまの実体験と写真をもとに書かれる、超本格旅行記ライトノベル。またはライトノベル風の旅行エッセイとも言えるかも。

また、メテムの設定と魔法も良くファンタジー要素も蛇足にならずしっかり機能している。さらに作者さまのイラスト付きの回もあるけど、これが上手くて絵柄もやさしくて良い。

知らない人もあまりいないと思うが、ハンガリーは日本に負けず劣らず温泉大国として有名だ。
国内に無数の公共温泉があり、国民にとっても身近な存在だ。
その中でも格段に有名なのが、ここセーチェニ温泉。

 

落花製魔法少女

104,606文字

2年前に死んだ姉のあとを継いで主人公は魔法少女となる。物理的・精神的な「落下」をパワーに変換。はたして過去に何があったのか? 恋と愛、そして夢と希望。

儚く悲しい物語。表現力があり空気に引き込まれ、それぞれのキャラクターの思いが強く伝わってくる。1つ1つの場面が美しく幻想的。タイトルも内容にあってて見事。序盤からしっかり考えられており、最終話まで行ってから読み直すとまた深く味わえます。

落ちていく。
冷たい風と冷たい雨。れっきとした現実の景色の中を、ほの明るい光の粒子を撒き散らしながら、わたしが透明な赤色に染め上げられていく。
膨れ上がるスカートも、風に流される髪も、魔法に掛けられてゆく。ぺたんこだったローファーも踵の高く華やかなものへと変わっていた。

伝奇

きみは小さな居候

370,725文字

久しぶりに訪れた父方の田舎、主人公「柳田真理」は座敷わらしを見つける。どうやら他の人間には見えていないらしい。ようやく出会った自分を見ることができる相手として、座敷わらしになつかれてしまい、気付いたら東京の家にまで付いてきていて!?

男子大学生と少女座敷わらしのほんわか生活。無邪気で子供っぽい、わらしちゃんがとっても愛らしい。しかし「ほとんどの人間には見つけてもらえない」「遊び相手がいない」という孤独もしっかり書かれている。悲しい部分が、幸せを倍増させていて涙腺が緩む……

「あのね、次に真理が来たら、お人形遊びをしようって思ってたの」
そう言って、おもちゃの山から人形を漁る後姿を真理は黙って見つめた。その小さな背中に比べて、真理はなんと大きくなってしまったことか。
――『次に来たら』って……。そんなこと何年も何年も思ってたのかよ……。
胸が締め付けられる思いだった。

 

明治蒸気幻想パンク・ノスタルヂア

816,811文字

流されてきた犯罪者によって作られた四つ葉島。そこで暮らす人々と、大いなる陰謀の物語。

題名に反してスチームパンクの雰囲気は無し。機械と言うより超能力バトルファンタジー。四つ葉島の構造とか、世界観も中々いいですけどね。

小説としての完成度は、ここまで紹介してきた19個にはやや劣る印象。しかし、ヒロインの橘八千草さんがメッチャかわいい。個人的にはなろうN0.1かも。すげー好みのキャラ造形(笑) 他の登場人物もキャラ立ってます。

明治を意識した文体は、やや読みにくいけど面白い。あと2つ名・技名がセンスとユーモアある厨二病で良い感じ。

丹念にくしけずった、ぬばたまの黒髪を腰まで伸ばしており、ほんの一部だけを緋色の細い髪留めで結い、全体から強調し。長めに整えた前髪の奥、病的に白い肌に覆われた小さな顔の中、くすんだ宝石のような瞳と青ざめた果実のような唇が目立つ。

 

座敷童が小豆ご飯に飽きたと言っています。

93,144文字

会社が倒産、恋人との結婚話も破局。落ち込んだ気分で料理をしていたら、匂いにつられて座敷童が引っ越してきた!? そこから始まる楽しくにぎやかな生活とおいしい食卓。

すごく癒される物語。料理はとってもおいしそうだし、座敷童たちは実にかわいい! 文章もリズムが良く笑いどころ多数。

アボカドを縦に8等分して優しく皮をむく。春巻きの皮に、『アボカド、シソ、生ハム』のチームと、『アボカド、ベーコン、チーズ』のチームに分けてそれぞれ巻いたらフライパンで焦げ目ができるまで炒める。後はコンソメスープに刻み葱のっけって今晩のおうちご飯完成です。パフパフパフ~。

恋愛

恋をしたら死ぬとか、つらたんです

370,900文字

自称『普通の女の子』であるクレイジーサイコビッチ・藤井ヒナが、VR乙女ゲーの試遊モニターをする話。

ただし、恋すると死ぬ。死んで初めからやり直し。そしてクリアするまでログアウト不可。超恋愛体質なヒナさんが恋しまくって死にまくるギャグストーリー。

ぶっ飛んだ設定と、ヒナさんの濃いキャラが癖になる。

 ヒナの恋愛力は53万だった。
一般的な女子高生は、大体3~20ぐらいだ。
最初は数値の故障かと思ったが、どうやらそうではないようだ。
だから上層部が彼女に大きな興味を持ったのだ。


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北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし

527,618文字

陽気な名ばかり貴族「リツハルド」と元軍人の年上妻「ジークリンデ」の雪国暮らし。始めはギクシャクだけどラブラブ。

一応、異世界らしいけど魔法は出てこず、かな~り現実的で堅実な生活が展開されます。トナカイは宝物。銃が出てくるので時代的には近代? 丁寧に描かれる村の暮らしは強いリアリティが感じられますね。

個人的には文章中に時々出てくる「!」「!?」が地味に癖になる(笑) 読んでもらえば分かりますけど、その時のキャラの表情を想像するとニヤニヤしてしまう。

軽く読めてラブラブ系の恋愛web小説なら、まずはこれをおすすめしたいところ。

ふっくらこんがり焼きあがったキノコのスープパイは、サクサクな生地と濃厚なクリームと一緒に食べれば至福の時を迎えることが出来る。脂の乗った白身魚のチーズ焼きはふっくらとした身が口の中でトロけている。

ジークはこの国の食事は自国のものより美味しいと絶賛してくれた。
我が家の食事は唯一の自慢だったので、認めてもらって思わず顔もにやけてしまう。


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宇宙との交信

136,577文字 (カクヨム版

始まりは高校生の時に受け取った間違いメール。返信をしてあげると謝罪文の最後に”宇宙人”という名前。そして星々の画像。相手が単なる地球人の宇宙バカだと気づいたうえで2人の不思議なメール関係が始まった。そして主人公が進学した大学で、偶然にも送信先の相手を発見し……?

1人称で進み、主人公の心の中で思っていることが軽快かつユーモアたっぷりの文章ですごく楽しい。センスがあり何度も笑ってしまう。主人公「みはる」のキャラ立ちがすごいし、周りも良い感じに濃いキャラばかり。

恋愛ものとしてはすごく微妙なところで終わるし、各キャラの掘り下げも少ない。しかし、それがいい。リアリティがあり主人公の変わった性格そのままの終わり方というか。

宇宙人のうっかりが同じ大学に呼び寄せる鍵なのか? と言うことは、私がD判定を覆してこの大学に入学できたのは、宇宙人の吸引力によるものなのかも。これは、宇宙人を神として崇め奉らねば!

 私は心の中で手を合わせながら、から揚げを咀嚼しつつ、宇宙人という名の神の姿を眺めた。神が彼女といちゃつくという俗世間にまみれている様子は信仰心を高めるのにはよろしくなさそうだけど、まあ、神には違いない。

SF系

あなたの未来を許さない

261,905文字

根暗な女子高生「御堂小夜子」。彼女はある晩、27世紀の未来人から大学授業の教材として【対戦者】に選ばれる。殺し合いのために特殊な力が与えられるはずであったが、なぜか能力無しになってしまい……

無能力の人間が、知恵と工夫で能力者たちを倒していく描写が見事。全体の筋としても展開が上手く迫力がある。引き分けという選択肢があるのがリアリティを増して良い感じ。

主人公の小夜子が重度の変態レズであり、また1度だけだが性的暴行シーンが出てくるのがやや読む人を選ぶかも。

また、イラストレーターと組んだ挿絵があるのも特徴。白黒でシンプルながらキャラの外見・雰囲気がよく分かってナイスな出来栄え。イラストは今後も追加予定とのことで、さらに完成度が上がっていくのはすごい……

『つまり「この人物はこれから何か社会的貢献をするかもしれない、働いて社会に利益を出すかもしれない。だから、その可能性を守る必要がある」という理由によって各人の権利は保護されているんだ』

小夜子の困惑した表情から察したのか、キョウカは噛み砕いた説明を行う。

『だから君達みたいな「存在する意味が無いことが確定している人間」には、【人権】は適用されないんだよ』

 

星を動かす者達

361,766文字

二十二世紀後半、人類は木星系を開発していた。不足している水を確保するための計画は、小惑星を動かして氷の衛星エウロパに衝突させること!

本格的なハード系SF。軌道を計算して小惑星を数年かけて少しづつ動かして目標にぶつける、という作業は地味だけど宇宙スケールのダイナミックな展開がすごい。SFとしての様々なアイディアが詰めこまれている。

技術的な会話シーンは真面目に考えながら読むと疲れてつらいけど、まぁ私のような一般人は軽く流しても十分楽しめます。やや文章が単調で読みにくい部分もあるけど、それを上回る魅力のある一作。

少なくともweb上のSF小説としてはかなりレベルが高く、雰囲気だけじゃない「科学小説」を読みたい人にはぜひおすすめ。

これが失敗すれば、ブラックアステロイドの衝突で巻き上げられた衝突噴煙は、地球の気候を大きく変えてしまうだろう。かつて、七万年程前に、インドネシアの火山噴火により人類は一万人以下に減ったとされている。その再現を世界政府は恐れている。その鍵を握るのがサンドスラスター50である。

 

中世騎士と宇宙世紀科学者 ~ファンタジーとSFの異文化ラブコメ! ゾンビ世界でグルメ開拓スローライフ!?~

178,763文字

研究者型クローンの少女「アメノ」は未知の惑星に不時着する。そこには謎の技術である魔法が存在し、さらにはゾンビの発生で人類文明が崩壊していた!? 出会った青年騎士と共に人々を救出しながら生活圏の確保を目指す!

物語の基本路線は異世界転移&チートの系列。SFと言いつつ内容的にはほぼファンタジー。しかし、とても個性があって面白い。主人公アメノの技術・行動原理はしっかりSF的だし、ボケまくり有能ヒロインとしてもすごくキュート。青年騎士との常識差によるスレ違いまみれの恋愛もすばらしく甘い。他の登場人物も良いキャラ立ち。個人的には世界皇帝&少女たちのゆるすぎる雰囲気がたまりません。

調査中に遭遇した謎の特異点の調査データに加え、完全に未発見であったこの星の文化データを持ち帰るためには、あの現地人のオスとの接触および、ウサギ肉の串焼きを食べることは全体最適になるはずである!!

 

狩人と奴隷少女の日本”ゾンビ”列島紀行

614,185文字

動物に寄生してゾンビに変える菌類の繁殖と、それによる社会の混乱によって衰退してしまった日本。狩人の男と喋れない奴隷の少女の戦いと生活。

中々に本格的な文明崩壊&ディストピアもの。小説家になろうにしては、かなりエロ描写がきついので注意。

ストーリーもかなりハードで登場人物は容赦なく死にます。かなり「いや~な感じ」の状況が多いんだけど、この作品はその「いや~な感じ」の描写が上手いですね。ねっとりとした不快感と危機感がビンビンに伝わってきます。

戦っているのは、他の区に移動した場合、奴隷にならざるを得ない貧乏な区民だ。彼らの銃弾をしこたま浴びて、グズグズになったヒト型のNPCが、道のあちこちに転がっていた。NPCの剛腕にかかって、関節をおかしな方向へ捻じ曲げた人間の死体もたくさん転がっていた。
ゴミと薬莢と人間と化物の死体が、どこへ視線を送っても散乱している。

現代ドラマ

サムヒア・ノーヒア

94,681文字

天より並外れた絵を描く才能を与えられた「上木田零子」。しかし、その代償としてなのか少女は苦しみと孤独に押しつぶされていた。幼馴染の「沖澄栄一郎」は、そんな彼女のそばに居続けるのだが……絵は描いた人間を救うのか?

絵を題材に、生きにくさ・人生論を書く。何かしらの苦しみを抱えながら創作活動をしている人には刺さる内容じゃないかと。少なくとも私の場合は共感と反発で精神がやばい(笑)

非常に文章力があり、それぞれの作品や描いている時の心理状態などが見事に表現されている。物語の中に捕まえられてしまいますね。完全に商業クラスの文章です。

「そんなはず、ないんだ。本当に……本当に、ちゃんとした絵を描ければ、きっとそんなものから、解放されるはず、なんだよ」

ぐらり、と目眩がする。紫から橙色に変わりつつある空が、歪む。
こいつは、まだ、そんなことを。

「――絵が、私を救ってくれるはずなんだ」


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おすすめ中編

5万字前後の中編にも良作がたくさん! 長編と比べるとあっさり完結して物足りない部分もありますが……その分だけ無駄がなくテンポが良い。

 

魔族史

58,841文字

人類と魔族、2つの知的生命体が進化した地球。人類はアフリカ・ユーラシア大陸、魔族は南北アメリカ大陸で発展。魔族文明の変化と近代以降の世界大戦を解説。

本格的な創作歴史。魔族の文化にとてもリアリティがある。700万前の人類と魔族の生物学的な分化から始まる大スケールで厚みのあるファンタジー。

木や石を削って球体を作った木石時代から始まり、水晶時代、ガラス時代、アクリル時代と続く魔族の時代区分は、その時代に普及していた球体の材料に由来している。人族にも石器時代や青銅器時代という区分がある。それと同じだ。

 

きつねよめ

47,360文字

乞食山伏として流れながら、過去を引きずる暮らしをしていた若い男「新右衛門」。彼は、しゃべる狐の仔を捕まえて日銭を稼ごうとたくらんでいた。しかし、狐たちを悲劇が襲い唯一残った子狐は人に化けるようになってしまい……室町時代の社会を背景とした異種婚姻譚。

文章が完全に時代小説のそれであり、良い意味で小説家になろうのクオリティじゃない本格中編。

 にもかかわらず、新右衛門はついに逃げ去ることを選ばなかった。
ためらった末に、行李を下ろしてあるものを取り出す。
咒札ではなく、風車。
それは野風に、からから、きい……と軋みつつ回った。
――妖物ではなく、親兄弟を失った子供が相手と思えばよい。
――あの仔狐はわしと同じじゃ。

 

小説投稿サイトでランキング一位を取らないと出られない部屋

67,944文字

何もない部屋に閉じ込められた男の、地獄の投稿生活。条件をクリアしないと無限にループ。1位を取るために男が考え付いた方法とは? それは成功するのか?

中編小説にして、小説家になろう攻略講座。単純に物語として面白いし、高評価を取るためのテクニックも分かりやすく書かれています。

作者は「無職転生 - 異世界行ったら本気だす -」と同じ人であり、実際にランキング1位を取ったからこそ書ける小説。面白いし参考になる、さすがのセンス。作品を投稿している人、もしくは投稿しようと思ってる人は必読ですよ!

その溢れを回避し、一番上に表示されるための技術。
それが1分後投稿だ。
これは一覧が更新された瞬間の時間から、最も近い時間に更新されたものが、一覧の最初に並ぶことを利用したテクニックだ。
まぁ要するに、1分後に投稿することで、『更新された連載中小説欄』の上の方に表示される確率が高まるということだ。

 

ジェットステルス戦闘女子高生

72,526文字

気がついたらジェットステルス戦闘機だった。日本に暮らす女子高生「永瀬恵」は、いきなり自分が戦闘機になっていることに気付く。一方で、最新鋭戦闘機のAI「カムイ」も、自らが女子高生になっていることに愕然としていた。入れ替わった2者の生活と、その真相。

戦闘機になる、というアイディアが面白い。ギャグのセンスがあり入れ替わった時のカオスっぷりが笑える。そして軽めの前半に対して、後半の真相パートは重め。戦闘描写も見事だし、伏線を回収しつつ入れ替わりをSF的に上手く説明していて満足感があります。

螺旋状にロールし、急にピッチアップし、ついでに機関砲発射だー、えい、バババババー!

ヴォォオオオオオオオオ!

意志に応じてか、エアインテーク側面に内蔵された25mm機関砲が毎分3500発の速度で射撃を行う。

「わ、ほんとに出た!」
『ほんとに出たじゃねぇこのクソ弩級馬鹿野郎! なに撃っちゃってんだよ!』

 

ROBOT HEART絵本風シリーズ

連作短編

人間と機械の物語。「絵本」風のタイトル通り文章中に絵が入っているんだけど、これがビビるぐらいに良い。普通に商業作品として通用するレベルのクオリティです。

童話的なストーリーもしっとりとしていて味わい深い。私的には3話が好みでしょうか。

ある日、博士はロボットに、突然こんなことを言い出した。
「キミはよく働いた。長い間、働いた。
不満も文句もなんにも言わず。
お礼にあげたいものがある。
私はキミにココロをあげたい。
私がココロを作るから。キミが喜ぶ素敵なココロを」

完結済みの長編エッセイ

小説だけでなくエッセイにも面白い作品があるので紹介します。文量があって読み応えのあるものをチョイス!

 

もふもふ日記

338,642文字 (カクヨム版

アメリカ在住の獣医である筆者さまが出会ってきた動物たちの物語。病院ではなく、プライベートな生き物の記録。

専門家ならではの観察眼もあってすごく面白い。カニ・トカゲなど、いわゆる「かわいい動物」以外もたくさん登場。作者さまは本当に生き物好きですね~。写真付きの話もあり。(カクヨム版もあるけど写真が入ってないので、なろうで読むべき)

他にも小エビやら小魚やら、磯には多くのオモシロ生物達がいる。
しかし私的には、磯で見つけて一番嬉しいのは何と言ってもカニですな。ユーモラスな顔、怒ったように爪を振りかざす姿は何度見ても見飽きない。器用にハサミを使って海藻などを口に運び、モグモグと食べる仕草も可愛い。

 

ボート暮らし ~優雅から掛け離れた日常~

222,861文字

南アフリカ育ちのイギリス人の旦那と、青森県で生まれ育った平凡な日本人の筆者。そんな2人が騒がしいボート生活仲間たちと過ごした7年間。めちゃくちゃで常識はずれで、笑えるぐらいに貧乏な暮らし。

思い出と苦労話の数々。文章力があり筆者さまの感情が活き活きと伝わってきます。水上暮らし、珍しいテーマで新鮮に読めますね。そして男たちは楽しそうだけど、筆者さまを含めて女性陣は現実的で苦労しまくり。見てる分には面白いですが実際にやると大変でしょうねぇ……。

パディントンからカムデンタウン方向に向かって流れる運河をリージェンツカナルと言う。
景色が洗礼されていて、ボートで渡ると気持がいい。
ロンドン動物園の前を通り、観光用のボートとすれ違う。
何年か前に歩いて見た景色を、今はボートの上から眺めている。
変な感じだ。

 

幻想歴史読本 ~ファンタジーを考える~

262,371文字

冒険者・ゴブリン……RPG風ファンタジーの定番要素を深掘り。歴史の知識も使いつつ、リアリティや性質などを考察する。なかなかに本格的な分析で、設定を気にするタイプの人間としては非常に面白いです。

冒険者はドイツのようによくある農村社会よりも、商人の自治都市もしくは、南部フランスやイタリアのような漁業や商業を主産業とする都市の方が発展すると考えられます。

 

というわけで小説家になろう完結作ベスト34はいかがだったでしょうか。かなりマイナー作品よりになってしまった気もしますが……その方が読者さまが今まで知らなかった良作を発見できた可能性が高いわけですよ!

 

なろう・カクヨム、ジャンル別おすすめ! 合計200作以上!

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