美しいグラフィック、1人称視点の没入感。大量の背景資料……印象深いゲーム。
というわけで、今回は「メトロイドプライム」について書いていきますよ。プライムにも2、3と続編があるけど、ここで書くのは1作目の「メトロイドプライム」についてですね。
どちらかと言えば海外で高い評価を受けた作品。
ちなみに、私は2Dのメトロイドシリーズを遊んだことがありません。そんな人間が書いている記事ってことはご了承ください。
2Dから3D、劇的な進化と復活
メトロイドシリーズも任天堂の名シリーズとして歴史は古く、初代「メトロイド」はファミリーコンピューターディスクシステムで遊ぶゲームとして1986年8月6日に発売。
そこから「メトロイドII」「スーパーメトロイド」と名作2Dゲームとしての地位を固めたんですが……任天堂の他の看板シリーズと比べて3D化がすごく遅かったと言えるでしょう。
マリオ・ゼルダの伝説・星のカービィ、これらのシリーズは任天堂64で3Dの新時代ゲームに進化しました。特に「スーパーマリオ64」「ゼルダの伝説 時のオカリナ」は3D時代を印象付けた名作。
しかし、メトロイドシリーズは64で新作が出なかったんですよね。だいぶ取り残された感じでしょう。メトロイドシリーズのファンの人は、つらい時代だったのでは。
「大乱闘スマッシュブラザーズ」の大ヒットで、主人公サムスの知名度だけは上がりましたけど(笑) 1993年生まれ、64世代の私は「メトロイド」というのはマイナーで遊んだこともないゲームでした。
しかし、2003年2月28日、ゲームキューブ(以下GC)でついに3Dの新作メトロイドが発売されます。それこそが「メトロイドプライム」!
1つ前の「スーパーメトロイド」から9年ぶり、64を飛び越しての劇的な進化と復活と言えるのでは。
つーか、まずタイトル画面がすごい(笑) 始めてやった人は絶対にビビるでしょ。リアルな細胞みたいな物と、独特なBGM。私は「なんか、すごそうなゲームだな!?」と思いましたわ。
世界観を表現するのに十分な美しいグラフィック
GCのゲームだけど、今見てもけっこうグラフィック良いんですよね~。緑豊かな自然、神秘的な巨大遺跡、灼熱の洞窟、氷の谷、不気味な研究施設、危険なモンスター。
風景がきれいだしBGMも名曲ぞろいなので、なんとなく歩き回ってるだけで楽しい。ムービーでしか見れないけど、サムスのパワードスーツも超かっこいいし。
無理に64で出さずGCまで待ったのは正解でしょう。メトロイドシリーズって、かなりハードでシリアスな世界観。その雰囲気を3Dで表現するにはある程度のリアリティが必要になってくるんですよ。
そのリアリティと迫力を出すには、GCぐらいの性能が必要だった。64のカクカクしたポリゴンでだとメトロイドの重くてかっこいい雰囲気が出しにくい。
比べて、マリオとかだとポップで明るい世界観。なんというか「子供っぽいグラフィック」でも違和感ないんですよね。リアリティがなくても気にならない。
1人称視点の没入感と恐怖、孤独な冒険
このゲーム、日本製ではめずらしく1人称視点のFPS(ファースト・パーソン・シューティング)となっています。
遠くからキャラを見ているんじゃなくて、自分自身そのキャラと同じ視点で行動していく形式。
私は、このゲームが初1人称だったので驚きましたね~。慣れるまではすごく操作しにくいし、場合によっては酔う人もいるみたい。ちょっと人を選ぶ形式かも。
しかし、キャラが見えない分だけ「ゲームしてる感」が少なく世界観に深く集中できる。メトロイドシリーズには良くあってます。
このメトロイドプライムは主人公も敵もほぼセリフをしゃべらないんですよね。サムスはマリオとかリンクみたいに「とおっ!」「てやぁ!」みたいな掛け声なし(笑) クールなキャラ。
そして、味方のお助けキャラなんて出てこないので、ものすごく静かで孤独な冒険になります。1人ぼっちで惑星を冒険して敵を倒して謎を解いていく。それがいい。
あと、1人称視点のせいで不意打ちされた時の驚きと恐怖がやばい。どこから攻撃されたのか、分からないんですよ。前しか見えないし。
攻撃されると「ガァン!」みたいな音が鳴って画面がゆれるんだけど、超ビビります(笑) 「え!? え!? なになにどこどこ!?」ってなる。心臓に悪い。やったことある人なら分かるはず……
ストーリー中でけっこう怖いシーンも多くて、まず始めの宇宙船脱出の時点で焦ってやばいし、パイレーツの研究施設は暗くて怖いし、敵のメトロイドにかみつかれるとキモくて「うわわわ!?」って感じで、チョウゾゴーストが出てくる場所は近寄りたくない。
割とホラーゲーム的な雰囲気もあって、没入感がある分だけ怖い。精神的に疲れます。
謎解きとアクションのバランス。アイテム探しと、迫力バトル
ゲームシステムとしてはアイテムや装備を増やして、それで仕掛けを解除して新しい場所に行き、またアイテムや装備を増やして……という感じ。
アクションと謎解きがバランスよく混ざっている。マリオよりはゼルダの伝説に近い。
マップの数自体は少なくて、新しいアイテムを探して行ったり来たりすることに。同じ場所を何度も通るのはちょっと面倒だけど、風景がきれいでBGMもいいのでそれほど嫌な感じはしませんね。
アイテムが増えると行ける場所も広がって「おお、なんか怪しいとは思ってたけど、ここでこれを使うのか!」なんて驚きと楽しさがあります。
巨大なボスとのバトルは迫力があるし、後半になってくると派手な攻撃技を使えるようになるので爽快感アップ。
ストーリー自体はそんなに長くなくて、集中して遊べばすぐにクリアできるはず。それでも雰囲気がすごく良いので十分な満足感があると思いますよ。
それに、細かいアイテム集めと情報コンプリートを目指すと、やり込みプレイが可能ですしね。大量のアイテムが隠されていて、すべてを自力で見つけ出すのは相当な調査が必要。「こんなところに!?」みたいなのが色々と。
このゲームの欠点
さて、今まで書いてきたように基本の部分は良い感じなんだけど……ちょっと目立つ欠点もあったり。
①足場をジャンプ移動する時に落ちやすい
このゲーム、足場をジャンプして上に登ったり遠くの場所まで渡っていく場面が多いんだけど……その時に距離感が分かりにくいことも多い。
ちょっとでも飛距離が足らないと、容赦なく落ちるんで。せっかく上まで行ったのに、底まで落ちてやり直し。これはイライラしちゃうところ。
②チョウゾアーティファクト集めが面倒&難しすぎる
最終ステージに行くにはチョウゾアーティファクトというアイテムを12個集める必要が。しかし、これが大変すぎる。
マップ上に隠されていて頑張って探し回ることに。そして見つからない。一応、ヒントはあるんだけど遠回しすぎて分からん!
自力で12個全部見つけた人は少ないんのでは? 私も攻略本に頼った記憶があります。これ以外の必須アイテムはあっさりゲットできるのに、チョウゾアーティファクトだけ難易度上がりすぎ。
③ラスボスとの最終決戦が盛り上がらない
ラスボスである「メトロイドプライム」との最終決戦が微妙だと思うんですよね。始めの装甲モードは戦ってて楽しいんだけど、中身とのバトルがいまいち。
相手が基本無敵で、特定の状況の時だけダメージが与えられるってシステム。このせいで時間稼ぎに逃げ回るだけの戦いって感じ。もうちょっとバリバリ撃ち合いたかった。
まぁ、世界観としては静かで地味な最終決戦でも雰囲気があっていい。そういうゲームだし。でも、ゲームシステムとしては派手にするべきだったような。
スキャンバイザーでの情報集めが楽しい! 膨大な背景設定
スキャンバイザーという機能があって、色々な物を調べて情報を集めることができる。クリアには関係ないけれど、これが楽しい!
敵キャラ、アイテム、装置、日記、記録などなど……スキャンできるものは大量に。しかも、それぞれの文章量が多い。読んでいくとすごく細かい背景設定がある。
私は世界観とか設定資料が好きなタイプなんで、こういうサービスは嬉しい! 敵キャラの生態説明とか最高っすね。製作者の遊び心と作品愛を感じます。
セリフがないゲームだけど、全体の文字量はめっちゃ多いのでは? とにかく集められる情報量が半端じゃない。
まとめ
・世界観を表現するのに十分な美しいグラフィック
・名曲ぞろいのBGM
・1人称視点の没入感
・アクションと謎解きのバランスの良さ
・膨大な背景設定の面白さ
欠点もありますが、全体的に見れば間違いなく良いゲームでしょう。3Dとなり劇的な進化と復活をとげた新時代のメトロイドにふさわしい作品だと思いますね!
さすがに古いゲームなんで、今となっては遊びにくいのは残念。一応、GCだけでなくwiiでもプレイできるみたいだけど、それでも古いですよね。
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