俺TUEEEEEの面白さと、退屈さを考えてみる

主人公最強! どんな相手でも絶対に負けない! みたいな作品って、好き嫌い別れますよね。その理由をちょっと考えてみたいと思います。

俺TUEEE

「俺TUEEE」とは、「俺つええ」のこと。自分がめっちゃ強くて気持ちいい状態を意味します。

単純に「強い」だけでなく、相手に対する優越感・万能感が特徴だと言えるでしょう。元々はネットゲーム文化で生まれた言葉らしいですね。

「俺つえええ」よりも「俺TUEEE」の方が調子乗ってると言うか、ドヤ顔な雰囲気が伝わってきます。ローマ字表記がいい味出してる(笑)

そしてネットゲームから転じて、「主人公が最強すぎて全く苦戦しない作品」を表現する言葉としても使われるように。主人公が「俺TUEEE」なストーリーってわけ。この記事では、こちらの意味について考えていきますよ!

ちなみに、派生したネタとして「俺YOEEE」「俺TUREEE」「敵TUEEE」などもあったり。ユーモアのセンスを感じます!

最強すぎる主人公

俺TUEEEと似たような言葉として「主人公最強系」ってのもあります。

これまた「最強」であるだけでなく、敵に対する優越感とかがポイントでしょう。例えば、ドラゴンボールなんかは俺TUEEEとか主人公最強系とは言われないはず。

そして、こんな表現がある程度は広く知られているぐらいには、こういう作品が出回っています。主人公が最初から最後まで最強で、ほとんど苦戦しないようなストーリー。一定の需要があると言えるのでは。

最近で有名なのは『魔法科高校の劣等生』でしょうか。タイトルに「劣等生」と書いておきながら主人公が最強でモテモテという設定が、俺TUEEE感を高めているような(笑)

ただし、俺TUEEE系の作品は割と評価が低いことが多い気がしますよね。「退屈」「つまらない」なんて意見を良く見ます。

というわけで、俺TUEEE系作品の面白さ・退屈さを考察していきますよ!

俺TUEEEの魅力

ポイントになるのは「カタルシス」という言葉だと思います

我慢していたことをやってしまうと、心がすっきりしますよね? それがカタルシスです!

「破壊によるカタルシス」みたいな感じで使う言葉で、単純な快感・喜びとの違いは「溜まっていた・抑圧されていた感情」を解放するってところ。

つまり、我慢していたことを思いっきりやる! 物を破壊する・相手を殴る、こういうことは基本的には良くないですよね? でも、それをやってしまう所にカタルシスがある。

さて、このカタルシスこそが俺TUEEE系作品の魅力でしょう。現実世界では俺TUEEEなんて出来ません(笑) 邪魔なものを吹きとばしたり、嫌いな相手を爆破したり、敵の軍団をつぶして英雄になったりはできない。

現実世界の私たちは弱く、我慢している。「大暴れしたい!」と思っても、その気持ちを押さえ込んでいる。

だからこそ、たまには俺TUEEEな気分になりたい! 現実で我慢していることもフィクションの中ならできる!

実際に消費者が大暴れできるわけではないけど、俺TUEEEな作品を見ることで間接的にカタルシスを得ることができます。俺TUEEEが流行るのは、その分だけ現実で我慢している人が多いってことかも

まぁ、俺TUEEE系の作品に限らずフィクションの魅力ってカタルシスだと思いますが、俺TUEEE系はカタルシスに特化したジャンルだと言えるのでは。

現実では弱くても一気に世界最強の気分に! 苦戦も我慢もせずに、現実では味わえない優越感・万能感を楽しむことができます。

カタルシス、逆転が無い

しかし、俺TUEEEの退屈さもカタルシスで説明できます。

カタルシスとは、貯まっていたものの解放。バトル作品で言えば「逆転」。苦しい状況から、一気に爆発する。追いつめられた所から大逆転する。こういうのもカタルシス。

この視点で見ると、俺TUEEE系の作品にはカタルシスがありません。主人公が最強すぎて苦戦も我慢もしないから。勝つことは当たり前すぎて、負けそうな所から逆転するというカタルシスがない。

基本的に、名作と言われる作品にはカタルシスがあります。主人公は苦労するし負けそうにもなる、だからこそ勝った時にインパクトが出るんですよ。

このように俺TUEEE系の作品は、現実ではできない大暴れを見ることで手軽にカタルシスを得られる面白さもありますが、主人公が強すぎて作品の中にカタルシスが無いという退屈さもある。

読み始めた直後は現実との落差でカタルシスが生まれて楽しいけれど、長く読んでいると作品の中でのカタルシスがないので飽きやすいと言えるでしょう。

あと、割とよく言われるのが「主人公が強いというより、敵が弱すぎる」って意見。主人公の俺TUEEE感を出すために、敵の方が弱くなっている状況ですね。バトル作品において敵キャラってのも重要な存在。魅力的な敵キャラが出てくる作品は、評価が高いことも多いもの。

俺TUEEE感のために、魅力のない弱い敵ばっかり出すと作品として評価が下がるのも当然の話。上手く仕上げるのは中々に難しいジャンルですねぇ。

まとめ

・単純に「強い」だけでなく、相手に対する優越感や万能感が特徴

・現実世界の私たちは弱く、我慢している。

・だからこそ、たまには俺TUEEEな気分になりたい! そこにカタルシスがあって、これが人気の理由では

・しかしカタルシスとは、貯まっていたものの解放。バトル作品で言えば「逆転」。この視点で見るとカタルシスがない。

・読み始めた直後は現実との落差でカタルシスが生まれて楽しいけれど、長く読んでいると作品の中でのカタルシスがないので飽きやすい。

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