『汎銀河企業体 メロンスター.Inc』 ~怒涛のブラックジョーク~

作者さま:鶴見トイ
キーワード:SF コメディ ブラックジョーク 社畜 理不尽 シュレッダーロボ

あらすじ
銀河的大企業「メロンスター.Inc」。しかし、その実態は超絶ブラックである。そんな会社に勤務する会社員「セン・ペル」の理不尽と不運と命の危機にまみれた悲しい日常。

感想
ジャンルとしてはSFコメディ。カオスと理不尽とギャグとブラックジョークが止まらない、趣味が合う人には大爆笑の作品。全体的に淡々とした進行、それがかえって笑える。
私自体は読んだことないんですが、作者さまは「銀河ヒッチハイクガイド」が好きとのこと。SFに詳しい人ならこれだけで雰囲気は伝わるでしょう!
敵も大冒険も出てこないが、そもそも現実の大部分が敵であり日々の業務が命がけ。SFコメディに社畜要素を組み合わせたのが日本的?

作品の文章力の高さ・内容を面白さは私ごときの筆力では説明しきれないので、作者さまによる作品紹介の一部を引用させていただきます。

メロンスター社は、銀河全体に営業拠点をもつ大企業である。従業員数は三百億人を超え、時間旅行ツアーからアサガオの栽培、哲学者の派遣業から夏休みの宿題代行まで多岐に渡る事業を行っている。会社案内の事業内容ページがあまりに厚いため、撲殺事件の凶器として使われることが頻発したので、最新の会社案内では事業内容を「かなりたくさん」の一行ですますようになった。これによって年間百三十万本の木が救われることとなったが、大得意先をなくした製本業界は大不況に陥ったため、自殺者が大量発生した。これらの自殺者はどういうわけかきまって木に首をくくったので、首吊りを防ぐために年間一千三百万本の木が伐採されることとなった。

ギャグ系の作品って説明しにくいんですよね。感性に合うか合わないかなんで。

この文章を読んで「面白い!」と感じた人は、この作品と相性ばっちり。ぜひ本文を読んでください。すばらしく楽しい時間を過ごせるはずです。
もうね、私はこの時点で笑いが止まりませんでしたよ! 名作の香りしかしない。実際、本文のキレもすばらしい。紹介分だけ面白いなんてことはなく、読めば読むほどカオスとブラックジョークが押し寄せてくる!

とにかく密度がすごい。↑に引用した部分を読んでもらえば分かりますが、ちょっとした文字数の中に突っ込みどころがありすぎる。
このクオリティは商業作品と比べても負けないレベルじゃないかと思いますねぇ、それぐらい面白い。少なくとも私が読んできた全SF小説の中でトップクラスに入ります。

ここまで多くのギャグを考えつける作者さまはすごい人。とてつもない想像力とセンス。謎の装置やら、意味不明なルールやら、よくアイディアが出てくるものですよ。
主人公「セン・ペル」と、彼の部下(?)であるシュレッダーロボットたちの関係も良い。このシュレッダーロボットたちが生意気だけど子供っぽくてかわいいんですよね~。良い味してますよ、このシリーズのマスコット枠でしょうか。
すごい好き勝手にやってて笑うし、権利向上のための挑戦が毎回さらっと失敗しててかわいそう。
というか冷静に見ればシュレッダーロボットたちもかなり辛辣で凶暴っぽいんだけど、こいつらがマスコットにしか見えないレベルで周りがひどすぎる(笑)

いや~、合う人には最高に楽しい作品。

 

状態:完結
文字数:113,074文字

個人的高評価ポイント
◇ アイディアが良い!
◎ 高い完成度!
☆ 私の特に好きな作品です!

作品URL
https://kakuyomu.jp/works/4852201425154990397

 

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